スペイン人が入植して来る以前の中南米のデザインには素朴でいてどこか陽気で、開放感にあふれたものが多い。ティカルでは生け贄の心臓を神に捧げる儀式が行われていたことがよく知られていますが、これはタトゥーやピアスの精神的原理を宇宙原理に拡張したものではないでしょうか?
紀元前400年頃に巨大文明を築き上げたマヤ(maya)族や、その後に成立し、スペイン人達の入植まで繁栄していたアステカ(aztec)族などに代表される中米地域の諸部族、そしてきらびやかな黄金の装飾品で知られるインカ(inka)族などの南米諸部族は、複雑な象形文字、正確な天文知識、高度の石造建築理論などを独自に持っていましたが、それらの体系はすべて彼等の神々に捧げられているといってもいいでしょう。
各地のトライバルアートもそのモチーフの多くは神との関係性を強くもっています。長らく謎に包まれていたそれらの文化も近年になり遺跡調査や文字の解読が進むにしたがってしだいにその豊かな内容が明らかになってきています。
血による購いというピアスやタトゥーなどに内在する精神原理もその一つです。そのような彼等のタトゥー文化がどのようなものであったのかを、正確に知るには今後の研究の進展を待つしかありませんが、世界中のトライバルタトゥーのデザインがそれぞれの部族の工芸美術とほとんどイコールの関係にあることから考えると、やはり現在まで残った石、木、布などの工芸品に施されたデザインには当然注目したいところです。
マルケサス諸島のトライバルタトゥーのデザインはマケージャスタイルと呼ばれ…
タトゥーという言葉の語源はタヒチ語の『タタウ』から来ています。トライバル…
ポリネシアの中で唯一トライバルタトゥーの伝統を今日まで絶やすことなく守り…
ニュージーランドの原住民であるマオリ族といえば、かつての戦士の顔面に刻み…
ミクロネシアは謎の地域です。そのトライバルタトゥーのデザインは非常に…
メラネシアはオセアニアの南西部に位置する数千の島々からなる地域で、地図の…
今日のタトゥーシーンにトライバルというジャンルを確立させた立役者はマレー…
2011年、『KALINGA』と題された1冊の分厚い本が世界のタトゥーアーティス…
インドネシア、スマトラ島西岸沖に浮かぶシベル島。完璧な波を求めて世界中…
日本のトライバルタトゥーとしては、ごく近年まで習俗としてそれが行われて…
彼等のタトゥーデザインは動物などの具体的なモチーフを一定の法則を持った…
スペイン人が入植して来る以前の中南米のデザインには素朴でいてどこか陽気で…
ヘナタトゥーの歴史は古く、アジアから中近東、アフリカまで、多くの地域で…
「西暦2011年の1年間を限りとして試行的に入域制限を解除」危険な紛争地域…
現代のタトゥーシーンではほとんど知られていませんが、日本にとって親しみの…
10年代以降、ヨーロッパを中心に女性たちを中心に広がりを見せるベルベル…
引用
著書:「traibal tattoo designs from the americas 」出版:mundurucu publishers
著書:「traibal tattoo design」出版:the pepin press
著書: 吉岡郁夫「いれずみ(文身)の人類学」出版:雄山閣
参考文献
著書:「THE WORLD OF TATTOO」Maaten Hesselt van Dinter著 KIT PUBLISHER
著書:「世界民族モノ図鑑」明石書店
著書:「EXPEDITION NAGA」 著者:peter van ham&jamie saul 出版:antique collectors, club
著書:「MAU MOKO The World of Maori Tattoo」Ngahuia Te Awekotuku with Linda Waimarie Nicora
著書:「縄文人の入墨」高山純, 講談社
著書:「TATTOO an anthropology」MAKIKO KUWAHARA, BERG
著書:「GRAFISMO INDIGENA」LUX VIDAL, Studio Nobel