トライバルタトゥーTribal Tattoo アポカリフト

タトゥーについて

トライバルタトゥーの歴史、デザインについて

Polynesian Maori

ポリネシアン マオリ

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ニュージーランドの原住民であるマオリ族といえば、かつての戦士の顔面に刻み込むように深く彫られたタトゥーが印象的で有名なのですが、現在、その螺旋紋様を白抜きにして残りの部分に様々な装飾をほどこすというデザインのパターンは洗練されていて、身体の各所に自由に対応する幅の広さを持ち、和彫りの見切り、バイオメカニカルなど、他のスタイルとの融合も積極的に行われています。

伝統的なマオリトライバルタトゥーはモコ(moko)と呼ばれ、顔面に施す形態を持ち、男性の場合、血族や社会的な所属集団を表す定まった紋様を顔の中心部分に彫り、顔の側面、耳の近くのエリアに個人を示すためのデザインのアレンジを配置していました。それはちょうど姓と名のシステムに等しいので、顔に氏名が示されていることと同じであり、ファッションというよりももっとアイデンティティに深く根ざしており、それと同時に敵味方を瞬時に見分けるための実用性を備えた戦士のためのサインであったようです。

女性は唇と顎に施術しましたが、顎のものは結婚しているということを示すサインであり、これもまた社会的な意味合いを帯びているものです。

他のトライバルタトゥーの文化を持つ部族達と比べてもマオリの人々のモコに関する誇りの高さは特別のような気がするのですが、それはこのような厳密なルールにもとづくアイデンティティの表現としての歴史が関係しているからなのだと思います。

また施術に使用した道具は針というよりも錐に近い形状で、現存するモコの写真を見てもそれはほとんどスカリフィケーション(傷痕)という印象なので、施術には相当な肉体的ダメージを伴ったことは明らかであり、そこからも厳しさが漂ってくるのを感じます。

一方、木彫りの工芸などに見るトライバルパターンにはとても洗練された美しさがあり、渦巻きデザインの法則性にはボルネオパターンとネガ&ポジのような関係も見えてきます。

2015年11月、「Indigenous ink festival」というコンベンションに招かれ、NZのオークランドを訪ねました。環太平洋のさまざまな先住民のトライバルタトゥーにフォーカスした集まりです。ポリネシア各地域をそれぞれ代表するアーティスト達や、フィリピンのエレ・フェスティン氏などの有名どころはもちろん、台湾パイワン族のキュジー・ワン氏、北極圏や北米系の諸部族など、今日の世界ののタトゥーシーンではまだほとんど知られていないリバイバル初期段階の先住民アーティストまでが多く招かれているところが非常に興味深いポイントでした。

実際、彼等と話してみてもそのほとんどが国際的コンベンションに参加したのは初めてとのことでした。僕もいつも手掛けているブラックワークということではなく、“縄文で”というスタイル指定の形で招待を受けたのはこれが初めてです。

先祖から受け継ぐ伝統に基づくアイデンティティー。もっとはっきり言えば血統、DNAによる括りを強く感じました。現代の世界ではそれはともすれば声高に口にすることは憚られるセンスだと思うのですが、マイノリティーでありながらもNZのラグビー代表チームがハカをデモンストレーションしたり、国旗のデザインまで変えてしまうほどのパワーを持つマオリ族であればこそ、弱者の被害者意識でもなく、強者の傲慢にも陥らず、血統の概念の指し示すそのままをごくシンプルかつ自然に表明出来てしまうのかとも感じました。

TV、新聞、雑誌など、多くのメディアからの取材がひっきりなしにあったことも印象的です。僕が縄文タトゥーを本格的に発信し始めてからわずか一年あまり。まだ国内での反応もあまり見えてこない状況にもかかわらず、それを素早く察知した主催者、そしてよく下調べしたと思われるインタビュアー達の非常に的を得た質問の数々。これらはマオリとそのトライバルタトゥー文化がいかにこの社会において盛大であるかの証でしょう。

いったいマオリの何が他のポリネシア各地域やメラネシア、あるいはアジア、南北アメリカと大きく違っていたのか。リバイバルタトゥー全般を考える上での大きな課題を突き付けられた体験でした。

引用
著書:「traibal tattoo designs from the americas 」出版:mundurucu publishers
著書:「traibal tattoo design」出版:the pepin press
著書: 吉岡郁夫「いれずみ(文身)の人類学」出版:雄山閣

参考文献
著書:「THE WORLD OF TATTOO」Maaten Hesselt van Dinter著 KIT PUBLISHER
著書:「世界民族モノ図鑑」明石書店
著書:「EXPEDITION NAGA」 著者:peter van ham&jamie saul 出版:antique collectors, club
著書:「MAU MOKO The World of Maori Tattoo」Ngahuia Te Awekotuku with Linda Waimarie Nicora
著書:「縄文人の入墨」高山純, 講談社
著書:「TATTOO an anthropology」MAKIKO KUWAHARA, BERG
著書:「GRAFISMO INDIGENA」LUX VIDAL, Studio Nobel

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